交通事故で自身の車両に損害を受けた場合、修理費用等を相手方に請求することができます。
物損(物的損害)における代表的な損害項目としては、次のようなものが考えらます。
修理代・買替費用
物損で発生する代表的な賠償が車両の修理費用です。車両が修理可能な状態であれば、基本的に修理費用すべてを請求できます。 また、修理不可能な場合には買い替えとなり、車両の買い替え価格から事故車両の売却代金(スクラップ代)を引いた買替差額を請求できます。代車使用料
修理期間や買い替え期間中に代車を使用した場合、その必要性があれば損害として認められます。 使用期間は、全損の場合で30日、修理の場合で1~2週間が通例となっています。 ただし、保険会社との交渉が長引き修理開始が遅れたなどの特段の事情がある場合は、その限りではありません。評価損
事故車両を修理しても、市場での価値が下がってしまうのが一般的です。 ただし、裁判所の判断は分かれているのが実情で、賠償の請求が認められた場合でも修理代の20~30%前後とする例が多いようです。休車損害
修理期間や買い替え期間中に、その車両を使用できていれば得られたであろう利益を休車損害として賠償請求できる場合があります。 ただし、代車がある場合には営業が可能ですので、代車使用料が支払われることになり、休車損害は認められません。 上記の項目では、特に全損(経済的全損)となった場合の買替費用や、車両の修理を行う場合の評価損は、争点となることが多いといえます。 なお、物損の慰謝料は原則としては認められません。裁判例においては、「被害者の愛情利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情が存することが必要」と判示したものがあります。 ただし、交通事故により墓石が倒壊し、骨壺が露出した事件において、その特殊性を考慮して10万円の慰謝料を認めた裁判例があります。
当事務所では、弁護士特約に加入をされておられる方の物損事故についても扱っておりますので、ご相談ください。