治療費について
交通事故の治療費で損をしないために知っておくべきポイント
交通事故による治療費は、被害者にとって最も身近で重要な損害賠償項目のひとつです。以下では、治療費の支払いに関する基本知識や、支払われる対象、請求の流れ、注意点などを詳しく解説します。
交通事故における治療費とは?
治療費とは、交通事故によるけがに対して必要となる医療行為に要した実費のことです。
主に以下のような費用が対象になります:
- 診察料
- 投薬料・処方箋料
- 入院費
- 手術費
- 検査料(MRI、レントゲンなど)
- 施術費 など
そのほかにも、義足や義手が必要になった場合の装具代なども、領収書をもとに実費として請求することができます。
誰が治療費を支払うの?
原則として、加害者側(任意保険会社)が支払いを行います。
加害者の任意保険会社が治療費を直接医療機関へ支払ってくれる仕組みのことを「一括対応」といい、一括対応してくれれば、被害者は自己負担なしで通院をすることができます。
ただし、過失に大きな争いがある場合(どちらもが被害者意識を持っている場合など)や、そもそも加害者が任意保険会社に加入していなかったなどというケースでは、相手の自賠責保険に対して直接被害者請求を行ったり、通勤中の交通事故などであれば、労災保険を使用して、治療費を賄ってもらう方法もあります。
労災保険や、健康保険を使用する場合などは、「第三者行為による傷病届」の提出が必要となります。
治療費請求の際の注意点
⑴医師にはしっかり自分の症状を伝えましょう
通常むちうちの場合、保険会社は2~3か月前後で治療終了の打診(打ち切り)をしてくることが一般的です。
まだ身体に痛みが残っているのに、打ち切られると今後の生活にも不安があると思います。
医師に日ごろからしっかり症状を伝えていると、いざというときに「まだ治療が必要である」と医師が意見してくれれば、治療を継続することができる可能性があります。
⑵整骨院や鍼灸院などへの通院は慎重に
整骨院や鍼灸院などは、医師免許を保有した医師が診察していないという理由で、保険会社から支払いを拒否されるケースが存在します。
とはいえ、仕事の合間に整形外科へ通院することも難しいなど、個々にご事情があると思いますので、整骨院等への通院を行ってもよいか、事前に医師に相談しておくと、いざとうときのトラブル回避につながることもあります。
⑶必ず領収書を保管しておきましょう
仮に、保険会社の一括対応が遅れ、一時的に自費で治療費を立て替えて支払わなければならない場合や、通院時(救急搬送時からの帰りなど)にタクシーを使用した場合などは、忘れずに領収書を保管しておいてください。
領収書がない場合、支払いを拒否または一部しか支払ってもらえないなどというケースに発展することがありあます。
保険会社から「症状固定」と言われたら
交通事故後、病院に支払う治療費は加害者の保険会社が負担してくれるケースが多数ですが、通院が長びいてくると、相手の保険会社は「そろそろ症状固定して治療は終わりましょう」などと言ってきたり、強引に治療費の支払いを打ち切ってきたりすることがよくあります。
しかし【保険会社からの通告=症状固定】ではありません。交通事故では、この「症状固定*」が非常に重要なポイントとなります。 (*それ以上治療を続けても、状態が改善しなくなった状態のこと)
症状固定前に発生する損害と、症状固定後に確定する損害には大きな違いがあり、仮に後遺障害が残ると、後遺障害認定の申請をすることになりますが、適切な賠償金を獲得するためには「いつ症状固定するか」がとても重要なポイントとなります。
保険会社から「症状固定」と言われ、納得できない・ご不安に思われた場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。
弁護士に相談すべきケース
加害者の任意保険会社が一括対応してくれている場合は、治療費の負担なく通院ができますが、保険会社も際限なく治療費を支払ってくれるわけではありません。
まだ痛みが残っているのに、治療費の支払いについて打ち切りの打診があった・既に打ち切られてしまったなどという場合は、弁護士が間に入ることで、治療期間の延長交渉ができたり、その後の通院方法についてアドバイスを行うことができます。
また、むちうちの場合、事故から半年が経過しても症状が残存しており、痛みやしびれなどといった症状もある場合などは、後遺障害等級認定を視野に入れることもあります。
後遺障害認定と合わせて賠償全体を見直したい場合なども、交通事故を専門とする弁護士に依頼することで、等級認定のサポートから賠償交渉まで一括して任せることができます。
まとめ:トラブルを避けるためにできること
交通事故の被害に遭った際、治療費はまず最初に直面する重要な賠償項目です。被害者としては「相手が支払ってくれるだろう」と思いがちですが、現実には医療機関の選び方や通院の内容によっては支払い対象外になることもあります。
特に、「一括対応」で治療費が支払われていたとしても、途中で支払いが打ち切られるケースは、被害者の実態と合わず、強引に打ち切られてしまうことも少なくありません。
トラブルを避けるためには、事故後できるだけ早い段階で専門家(弁護士)に相談することが、安心と納得のいく解決への第一歩です。
特に、後遺障害が疑われるようなケースや、過失割合で争いが生じている場合には、弁護士の介入が慰謝料や治療費の額に大きく影響することもあります。
当事務所では、交通事故に関するご相談を初回無料で承っております。治療費や慰謝料の請求でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
治療打ち切りを打診されている方
まだ症状があるのに保険会社から治療費を打ち切りを打診されている方や後遺障害認定の申請をお考えの方は、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
交通事故後、病院に支払う治療費は加害者の保険会社が負担してくれるケースが多数ですが、通院が長びいてくると、相手の保険会社は「そろそろ症状固定して治療は終わりましょう」などと言ってきたり、治療費の支払いを打ち切ってきたりすることがよくあります。 しかし【保険会社からの通告=症状固定】ではありません。
交通事故では、この「症状固定*」が非常に重要なポイントとなります。 (*それ以上治療を続けても、状態が改善しなくなった状態のこと) 交通事故に遭うと、非常にさまざまな損害が発生しますが、 症状固定前に発生する損害と、症状固定後に確定する損害には大きな違いがあります。 そして、交通事故に遭い後遺障害が残ると、後遺障害認定の申請をしますが、適切な賠償金を獲得するためには「いつ症状固定するか」を、慎重に判断することがとても重要なポイントであります。 また、後遺障害と認められるためには、症状固定時期だけではなく「後遺障害診断書」が重要な書類になります。 後遺障害等級の認定は、レントゲン、CT、MRI等の画像に基づいた後遺症診断書をもとに、書面審査によって行われるものですので、適切な検査を受けた上で、後遺障害診断書を作成してもらうことが重要です。 経験豊富な、交通事故に精通したアジア総合法律事務所の弁護士に相談すると、適正な後遺障害等級の認定を受けられるよう、後遺障害認定に必要な検査、後遺障害診断書を作成する時期・内容など、確認・アドバイスができるので、賠償金を減らされることはなくなります。