事故発生場所:福岡市南区
920万円獲得
本来は、鎖骨の変形障害でかつ、事故後の収入の増加があったため、簡単には逸失利益が認められる事案ではありませんでした。
しかし勤務記録(勤務時間、実車率、走行キロ等)を交通事故の前後において、月ごとデータ化し、詳細な立証し、本件に添った裁判例を調査、提出することにより、当方の主張に添ったフンセン斡旋委員の判断を引き出すことができました。
交通事故で鎖骨に骨折が生じた場合には、後遺障害認定の可能性もありますので、是非ご相談ください。
相手方から提示された賠償額 | 269万円 |
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結果 | 920万円 |
主な争点と結果
項目 | 相手方主張 | 結果(円) |
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通院(傷害)慰謝料 | 452,000円 | 1,300,000円 |
逸失利益 | 1,340,000円 | 5,500,000円 |
後遺症慰謝料 | 900,000円 | 2,400,000円 |
合計 | 2,692,000円 | 9,200,000円 |
事故態様
ご相談のきっかけ
ご相談者は、タクシー運転手でした。福岡市南区の路上をバイクで交差点を直進中に直進してきた乗用車と出会い頭で衝突し、鎖骨を骨折しました。
その後、事前認定により、鎖骨の変形障害として、後遺障害等級12級5号が認定されていました。
相手方保険会社から、259万円の提示がされたため、この提示金額が適正かどうか知りたいとのことで、ご相談に来られました。
ご相談のポイント
相手方は、相談者の「交通事故の後の収入の減少がない」として逸失利益を低く評価していました。
また、後遺症慰謝料や通院慰謝料についても、裁判基準に照らすと低額であるため、当事務所が受任をし、交渉にあたることとなりました。
弁護士用について心配をされておりましたので、弁護士費用については完全成功報酬とし、安心して依頼をしていただきました。
依頼者と相談をして、最初は弁護士が相手方と任意の交渉を行う(裁判や調停ではなく)方針に決定しました。
示談交渉の過程
示談交渉では、相手方は、「依頼者の収入の減少がないこと」を強く主張し、なかなか賠償金額を譲ろうとしませんでした。
そこで、依頼者と相談をし、福岡市の(財)紛争処理センター(通称:フンセン)へ申立を行うように方針を変更しました。
紛争処理センター(フンセン)への申立
鎖骨の変形障害については、過去の裁判例でも労働能力の喪失(逸失利益)が認められていない判例もあるなど、事案によって判断が分かれることが多い後遺障害です。 相手方は、①「鎖骨の変形障害」は、労働能力の喪失を伴わない②現実の収入が向上している以上は、逸失利益はないはずとの主張を崩しませんでした。 そこで、弁護士が、①鎖骨の変形障害についても、(ⅰ)疼痛などの神経症状がある場合、(ⅱ)肩関節に可動域の制限がある場合には、14%の労働能力喪失率が認められていること、本件でも疼痛や可動域制限が生じていることを主張しました。 また、②現実の収入は向上しているが、勤務時間の減少、実車率の向上などのデータをタクシー会社から取り寄せ、交通事故の前後1年間の比較データを作成し、福岡市の紛争処理センターへの申立てを行いました。 また、他県から福岡に転勤してきたタクシードライバーであったことから、「本人の特別の努力」により収入の減少を防いでいるという事実を丁寧に主張立証しました。その後の示談交渉の結果
紛センの斡旋委員に対して過去の裁判例や、事故前後の勤務記録(勤務日数、勤務時間、拘束時間、実車率)等による主張立証を行ったところ、斡旋委員は、概ね当方の主張を認める斡旋案を作成されました。
紛争処理センターの斡旋案では、逸失利益について、症状固定後から17年間を14%、その後の8年間を5%とし、逸失利益として、557万2383円の提示がありました。
最終的には、790万円での解決となりました。