相手が治療費を支払わない場合の対処方法
交通事故に遭ったとき、加害者が「治療費」の支払いをしないケースがあります。
そのような場合、被害者としてはどのように対応したら良いのでしょうか?
今回は、加害者が治療費を支払わない場合の対処方法について、福岡の弁護士が解説します。
1.加害者が治療費を支払わないケースとは
交通事故で加害者が治療費を支払わないケースには、いくつかのパターンがあります。
1つは、相手の任意保険会社が治療費支払いを打ち切ったとき、2つ目は相手がそもそも任意保険に加入していないケース(自賠責保険に加入していないケースを含む)、3つ目はひき逃げなどで加害者が不明なケースです。
こういったケースではどうやって治療費を用意したら良いのか、以下でご紹介します。
2.健康保険を使う
1つ目の方法は、健康保険を利用して治療を受ける方法です。
世間一般では「交通事故では健康保険が使えない」と思われていることがありますが、そのようなことはありません。
交通事故でも健康保険を利用できることは、政府も認めています。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/info/qa/security/answer12.html#ques02
ただ、病院によっては、交通事故の被害者が健康保険を利用しようとすると、断ることがあります。病院の収入が下がることや、保険診療だと十分な医療を提供できないことなどが主な理由です。
しかし、このようなことは治療を希望する被害者には関係のない事情ですから、もしも病院に健康保険の利用を断られたら、病院と交渉をして、それでもダメなら、健康保険を適用してくれる別の病院を探して受診するとよいでしょう。
3.労災保険を使う
交通事故が業務中や通退勤の途中に発生した場合、労災保険を利用することができます。
労災保険を利用すると、被害者の負担額0円で治療を受けることができるので、被害者にとってはメリットが大きいです。
労働基準監督署で申請をして、労災を適用してもらいましょう。
4.自分の人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険を使う
交通事故に遭ったとき、被害者の自動車保険を利用できることも多いです。今は、多くの方が、人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険に加入しているからです。
人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険とは、被保険者や契約車両の同乗者などが交通事故で死傷した場合に支払いを受けられる保険です。
加害者との示談交渉前でもまとまった金額を受けとることができますし、相手が無保険でも支払いを受けられるので、交通事故に遭ったら、まずは自分の自動車保険への加入状況を確認しましょう。
5.政府保障事業を使う
相手が自賠責保険にも加入していないケースやひき逃げなどで相手が不明なケースでは、政府保障事業を利用することができます。
政府保障事業とは、加害者が自賠責保険に加入していないなどの事情で、被害者が最低限の保障も受けられない場合に、政府が代わって保証を行う制度のことです。
保障の限度額は自賠責保険基準と同等で、事故内容に応じて、治療費や休業損害、後遺障害慰謝料や死亡慰謝料などを受けとることが可能です。
民間の保険会社が申請窓口となっているので、該当するケースでは、請求するとよいでしょう。
加害者が治療費を支払わない場合でも、対処方法はあるものです。福岡で交通事故に遭ってお困りの場合には、弁護士が知恵をお貸ししますので、お気軽にご相談下さい。
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