中心性脊髄損傷の立証

中心性脊髄損傷は一度負傷すると戻らないとされているため後遺障害の認定対象となっていますが、骨には異常がないため、下記の立証(検査)を行うことになります。
MRIによる画像診断
MRIによって、骨の内部に脊髄負傷によって起きた出血(による浮腫など)がないかを調べます。
レントゲンやCTIは骨を検査するものなので、脊髄の異常は反映されません。
神経学的検査
次に、神経学的検査を行い、実際の症状を調べます。
神経学的検査には様々なものがありますが、特に代表的なものは以下となります。
腱反射
脊髄に異常がある場合には、腱反射は亢進を示します。
中心性脊髄損傷の後遺症認定では、腱反射に異常が出ていることは重要な要素となります。
筋萎縮テスト
麻痺が生じると、筋力が低下し、萎縮がみられます。
徒手筋力テスト
麻痺により、身体の筋力の低下が生じます。
整合性の判断
MRIによる画像診断と、神経学的検査による症状診断が揃ったところで、負傷箇所と症状の辻褄が合うかといったことや、交通事故との因果関係が認められるか、といったことを吟味されます。
中心性脊髄損傷が疑われる場合には、早期にMRIによる画像診断および神経学的検査による異常がないかを確認し、その後の立証方針を立てる流れになります。
中心性脊髄損傷では、他の後遺障害と同じく、症状があったとしても、十分な立証が出来ていない場合には、後遺障害は存在しないものとして扱われるため、注意が必要です。