交差点での左折車と後続直進車の交通事故の場合、交差点内もしくはその直近で左折態勢にある車両に後続直進車が衝突する場合と、左折のために進路変更しようとした車両に後続直進車が衝突する場合とに分けられます。
ここでは前者の左折態勢にある車両に後続直進車が衝突した場合について記載しています。
後者については「進路変更車と後続直進車との交通事故」を参照してください。
あらかじめ左側端に寄らない左折車と、中央線(道路中央)を超えていない直進車が衝突した場合

交差点で左折しようとする車両は、交差点の手前30mから左折の合図をし、あらかじめできる限り道路の左側端に寄り、徐行しなければならないとされています。
ここでは、直進車(A:黄色)と左折車(B:灰色)が並んで通行できる十分な幅員がある道路で、Bが左折の合図はしたが道左側端に寄らずに左折しようとした場合に起こった交通事故を想定しています。
なお、2台が並んで通行できるだけの幅員がない道路で起こった同様の事故の場合は、Bの後方不確認よりもAの車間距離不保持や前方不注視等の過失の方が大きいと考えられるので、追突事故等の基準を参考にすることになります。
Aの過失 | Bの過失 | ||
---|---|---|---|
基本割合 | 20 | 80 | |
修正要素 | Aの15km以上の速度違反 | +10 | |
Aの30km以上の速度違反 | +10 | ||
Aの著しい前方不注視、その他の著しい過失 | +10 | ||
Aの重過失 | +20 | ||
Bの徐行なし | +10 | ||
Bの合図遅れ | +5 | ||
Bの合図なし | +15 | ||
Bの直近左折 | +10 | ||
Bのその他の著しい過失 | +10 | ||
Bの重過失 | +20 |
交通事故の過失割合は、弁護士が実況見分等の刑事記録による立証を行うことにより、有利になる可能性があります。