失語症

交通事故による高次脳機能障害により、失語症の症状が現れることがあります。
これは、脳の損傷により言語機能に障害が生じた状態で、声そのものが出ない失声症とは異なります。
失語症は、言葉が上手く出ずつっかえつっかえ話す非流暢整と、言語は明瞭であっても内容は意味不明で、言い間違いが多い流暢性に大別され、それぞれの症状は以下のように分類されます。
頭にイメージがあってもそれに対する言葉を思い出せないことを喚語困難といいます。言語を喚起するのが困難な状態という意味です。
加齢によっても日常使わない言葉が出てこなくなることがありますが、失語症では日常使う当たり前の言葉が出てこなくなります。
言葉の発音が乱れることをアナルトリーといい、失構音と訳されます。例えば「音楽」が「おん、がー、く」や「お、んがー、っく」のように発音に歪みが生じ、間違い方も一定ではありません。
また、発音の障害では音の入れ替えにより言い間違いが起こる音韻性錯語もあります。発音そのものがたどたどしいアナルトリーと異なり、音じたいは正しく発生されますが、言葉を発する段階で変化が生じ意味の通じない言葉になります。「電話」が「えんわ」や「テレビ」が「てびれ」、「メガネ」が「てがね」といった具合です。
これに「リンゴ」を「トイレ」のように全く別の言葉と勘違いする誤性錯語が加わり、さらに変化が加わると新造語となります。
そして、これらの錯語が連続するとジャルゴンと呼ばれる状態になり、聞いていてもまったく意味がわからなくなります。
また、話の内容が理解できず何度も聞き返すといった症状が現れることがあります。
これはワーキングメモリーの障害や、言葉がうまく聞き取れない語音弁別障害、言葉の内容が理解できない理解障害が複合して現れます。
さらに聞く、話すだけでなく、読み書きに関しても困難になり、言語コミュニケーション全般において問題が生じることもあります。
高次脳機能障害により上記の症状がみられる場合には、弁護士にご相談されることをお勧めします。
こんな症状ありませんか?
- ろれつが回らない
- 字が書けない
- 文章が読めない
- 言い間違いが多い
- 話の内容が支離滅裂
- 話の内容が理解できない