死亡事故の逸失利益を計算する場合の年収(基礎収入)はどのように決まりますか?

年収(基礎収入)は、死亡時の(職業)によって決まります。 各職業の年収は、次のとおり認定されます。
1.会社員などの給与所得者
原則:事故前の収入 例外:①現実の収入が賃金センサスの平均額以下の場合、平均賃金を得られることを立証した場合は、賃金センサス ②若年労働者(概ね30歳以下の場合)は、全年齢平均の賃金センサス
2. 事業所得者
事業所得者とは、自営業者・農林水産業者など自分で独立して事業を行っている方です。 原則:確定申告書などの申告書類 例外:申告書と実収入が異なる場合は、立証を行えば、実収入
3.会社役員
役員報酬は、労務の対価としての性質と利益配当の性質がありますが、逸失利益の算定の基礎となるのは。労務対価の部分のみとなります。 労務対価か利益配当かについては次の要素によって判断されます。
- 会社の規模、同族会社か否か、利益状況
- 被害者の職務内容、地位(いわゆる「雇われている社長」か「オーナー社長」か)
- 役員報酬の額
- 他の役員や従業員の職務内容と役員報酬・給与
- 事故後の他の役員らの職務内容と役員報酬の変化
4.家事従事者
賃金センサスの女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎とします。
有職の主婦の場合は、実収入が平均賃金以上の場合は実収入を基礎とします。実収入が平均賃金より下回る場合は、平均賃金を基礎とします。
5.学生・生徒・幼児等
賃金センサス(男女別全年齢平均の賃金額)を基礎とします。
6.失業者
被害者に労働能力・労働意欲があり、働くが可能性が高かった場合に認められる。
その場合、再就職によって得られるであろう収入が確実の場合は、その収入額を基礎とします。 失業前の収入も参考にします。その場合、失業前の収入が平均賃金以下の場合は、賃金センサスの平均賃金によります。