人身傷害補償保険と加害者への損害賠償請求権の関係について教えて下さい。

ご自身に過失のある被害者が加害者への損害賠償請求を行う前に、人身傷害補償保険から人身傷害保険金を受け取った場合、加害者に対していくら請求できるのかが問題になります。
加害者から賠償金の支払いを受ける前に支払われた人身傷害保険金は、まずは被害者自身の過失割合に応じた損害額にあてられます。
仮に、被害者の過失割合に応じた損害額を上回る金額があれば、その上回る部分につき、保険会社が加害者に対する損害賠償権を代位取得し、保険会社が加害者に請求します。
なお、人身傷害補償保険の支払い基準は、裁判基準よりも低額であることが多く、人身傷害補償保険だけでは、損害額全額の支払いを受けることができない場合があります。そのような場合は、損害額全額から人身傷害補償保険で支払いを受けた分を控除した差額を、加害者に請求することになります(例参照)。
例
裁判所が認定した総損害額 |
1000万円 |
人傷基準による損害賠償額 |
800万円 |
被害者の過失 |
4割 |
被害者の保険会社から支払われた保険金 |
600万円 |